はじめに
「なぜこの人の資料は読みにくいのか?」
「言いたいことはあるのに、なぜ整理されていないのか?」
仕事をしていると、
・思いついたことをそのまま書く
・気になるところだけを書き足す
・全体の構造が見えない
こういった資料に出会うことは少なくありません。
これは単なるスキル不足ではなく、思考の構造の違いによって生まれていると感じています。
本記事では、この現象を構造的に分解してみます。
よくある状態:ロジカルではなく「気になり順」で書く
このタイプの資料には共通点があります。
- 上から順に読んでも意味がつながらない
- 話題が突然飛ぶ
- 重要度ではなく「気になった順」に並んでいる
- 結論が後出し、もしくは存在しない
つまりこれは、
👉 論理構造ではなく「思考の流れ」をそのまま出力している状態
です。
なぜこのような書き方になるのか
① 思考が「探索型」になっている
このタイプの人は、
- 考えながら理解する
- 書くことで思考を整理する
という特徴があります。
一見良いことですが、そのまま資料にすると
👉 思考過程=アウトプット
になってしまい、読み手には負荷がかかります。
② 読み手視点が欠落している
資料は本来、
👉 相手に理解させるためのもの
です。
しかしこのタイプは、
- 自分が気になっていること
- 自分が考えたいこと
が中心になっており、
👉 「自分のためのメモ」と「他人向けの資料」の区別がついていない
状態になっています。
③ 「構造を作る」という概念が弱い
ロジカルな資料は本来、
- 結論
- 根拠
- 具体例
といった構造を持ちます。
しかしこのタイプは、
👉 「構造を設計する」という工程を持っていない
ため、結果として
- 断片的
- 局所最適
- つぎはぎ
になります。
④ 不安や責任回避の心理
もう一つ重要なのは心理面です。
- 抜け漏れが怖い
- 指摘されるのが怖い
- とりあえず全部書いておきたい
この結果、
👉 重要度ではなく「網羅性」で書く
ようになります。
これがさらに構造崩壊を加速させます。
本質:論理の問題ではなく「認知の使い方」の問題
ここまでをまとめると、この現象は
👉 ロジカルに考えられないのではなく、使っている認知のモードが違う
と言えます。
| モード | 特徴 |
|---|---|
| 探索モード | 思いつき・気になる順・広げる |
| 構造モード | 整理・優先度・伝える |
問題は、
👉 探索モードのまま資料を作ってしまっていること
です。
解決の方向性
① 「書く前に構造を決める」
最低限これだけでも変わります。
- 結論は何か
- 何を伝えたいのか
- 誰に向けてか
👉 これを決めてから書く
② 「2段階で考える」
- 1回目:思いつくまま書く(探索)
- 2回目:整理して並べ替える(構造)
👉 思考と資料作成を分離する
③ 「削る勇気を持つ」
- 全部書かない
- 重要なものだけ残す
👉 伝えることは、削ることでもある
おわりに
思いつきで書く人は、決して能力が低いわけではありません。
むしろ、
👉 思考量が多く、感度が高い人に多い傾向
すらあります。
ただし、そのままでは
👉 「考えている人」止まりで、「伝えられる人」にはならない
のも事実です。
資料とは、
👉 思考を他人に届けるための変換作業
です。
この変換を意識できるかどうかが、
仕事の質を大きく左右すると感じています。


















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